読書感想「あなたの体は9割が細菌」

自分の読書を再開し、本の情報の面白さを再認識中の、kazenoyaです。

 

これまで自分用に作った、図書館の貸し出しカードを、息子の絵本を借りるために明け渡していたのですが、先日、息子用の貸し出しカードを作ったため、自分も本を借りられるようになりました。

 

若い頃は「本の虫」と呼ばれ、30代ごろからは文芸書よりも専門書。という読書癖を持って、様々なジャンルの本を読みました。林業の本とかね。

 

図書館ユーザー復活の第一冊目はこれ。

 

あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた

あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた

あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた

 

著者は生物学・進化生物学の博士号を持つイギリスのアランナ・コリンさん。サイエンスライターとして活躍しているそうです。

 

私は科学オタクではありません。そのため、結構専門用語の多いこの本は、読破に案外時間がかかってしまいました。でも面白かったです。読み終わってしまったけれど、身銭を切って買い、ぜひ自分の本棚に欲しい!と思うほどです。

 

実体験に基づいた本だった!

 

生物学を専攻し、コウモリに魅せられてマレーシアの野生生物保護地区の奥深くで現地調査の助手をするような若い女性が著者だ、とプロローグに書いてありました。

 

その最初の1ページを読んで、「読みやすい本じゃないだろうな」「科学書みたいな本なのか?」と思いながら怖々ページをめくり…確かに専門用語も多かったですが、常識が覆る、びっくりするような内容の連続で、最後まで興味を失わずに読むことが出来ました。

 

マレーシアでの活動でマダニにかまれ、マダニ媒介型の感染症抗生物質で治療し、そのために現れた、発疹や胃腸虚弱などの“不具合”から、生物学を専攻する著者が、地球上の生態系になぞらえて自分の体に住む微生物群が置かれている状況を書いていて、とても興味深く読めました。

 

ようは「腸活しなさい!」ってこと

 

最初の何章かでは、20世紀にコレラなどの感染症との戦いに勝利した人類が、現在多く苛まれている、肥満、糖尿病、アレルギー、自閉症などを「21世紀病」として、抗生物質や抗菌剤の危険が書かれています。

マウス実験の結果や、実際に自閉症を持つ母親の功績・体験談などに触れながら話を進めているため、ガッツリ引き込まれる内容でした。

 

ここまで読んで、「抗生物質怖いんだ」「抗菌剤って何に入っているんだろう?」と、ちょっと極端に走りかけてしまいそうになるkaznoya。

 

しかし、最後まで読むことで、身近に出来る食べることで、自分の体の中の微生物生態系を修復することが出来るんだと知ることが出来ました。

 

結論的には、腸内細菌(マイクロバイオータ)のためになる食事(食物繊維など)を意識して取りましょう!ということらしいです。

 

肥満も病気なんて!

 

一番驚いたのは、「肥満は病気」なのだ、と言い切っているところ。食べても太らない人、食べなくても太る人がいる!!(本当にそうですよねぇ…)

 

マイクロバイオータの乱れで腸壁から入ってはいけないものが入ることで、うんぬんかんぬん…太った人とやせた人の腸内細菌の違いなどを、いろいろな実験データを交えつつ紹介してあって、本当に驚いたし、実際、腸内細菌を整えることで簡単にやせられるんなら、うれしいなぁと思いました。

 

妊婦さんやママさんには要注意本かもしれない

 

自然分娩や完全母乳育児を賞賛するような内容が含まれています。最後の方で著者は、必ずしも絶対ではないし、将来自分も必要になれば、帝王切開やミルク育児を選択すると記載してはいますが、ちょっといろいろが不安になるような内容でした。

 

自然分娩で母の微生物一式を子どもにプレゼントし、母乳育児でも微生物を渡すのだということです。

 

私は実は、帝王切開で生まれて、ほとんど1滴も母乳を飲まずに育ちました。

 

息子は吸引分娩で生まれ、3か月からは完全母乳になりましたが、難産のためか、血筋なのかおっぱいの出が悪く、息子に初乳をあげられたのか?定かではありません。

黄疸も出ていたために、1泊の追加入院も経験しました。一緒に退院出来なかったのです。

 

だから息子はアレルギーなのか?私がちゃんと安産で産んであげれなかったから?とか考えてしまいます。

 

そして、腸内細菌と発達障害の関連性についても書かれていました。多くは自閉症の症例をあげて書かれていましたが、注意欠陥多動性障害との関連性についても、何かしらありそう?と思わせる内容がありました。

 

まぁ、発達障害と幼少時の腸内環境の関連性が事実で、息子の腸壁〜迷走神経〜脳までの発達の中で何かしらのトラブルが生まれていたのだとして、まさか妊娠中からやり直すわけにもいかないので、今更しょうがありません。原因がわかったところで、生活は変わりませんので。

 

これから親子で、家族で、腸にいい生活を始めたいと思います。

 

夫の潰瘍性大腸炎にももちろん、いいことでしょうし。

 

本の情報ってインターネット上の情報とはまたひと味違って、こちらもやっぱり面白いです。再認識しました。もっと読書した〜い!です。