5歳児にジェンダー感を植えようとするのは誰だ

息子の他愛ない言葉に、日々ニッポンの未来が不安になる、kazenoyaです。

 

息子が突然、「男の子は女の子に優しくしないとダメなんだよね?」と聞いてきました。驚いた〜。

 

誰がそんなことを言ったの?先生?やめてよ〜私の可愛い息子に変なジェンダー感覚を植え付けるのは。

 

親切に男女は関係なくないか?(心の声)

 

驚いて言葉を失いつつも、平静を装うkazenoya。

 

「女の子は男の子に優しくしなくてもいいの?」と聞いてみました。

 

ちょっと考えて「しなくちゃいけない」と答える5歳児。

(クラスにけっこうキツめの女子(めっちゃ可愛い)がいるので、そんなことも考えながら答えたのか?優しくして欲しいよね〜)

 

「男の子も女の子もお友達には優しくしないとね」と答えつつ、そんなこと誰が言うんだろう?と不思議に思う母。やっぱり先生?と、そこまで考えて。。。。

 

子どもの言葉にはいろんなことがストレートに現れる

 

話はそんなに単純じゃないような気がしてきました。

 

5歳と言えば、女子は特にけっこう高度になってくるお年頃。家族のやり取りなんかをしっかり観察しているものです。親の言葉も、ちゃんと聞いている。

 

そんな女子に息子はきっと言われるんだろうな〜。「女の子に優しく」とね。まぁ、先生も言ってるかもしれないけど、影響力が大きいのは友だちだでしょう。

 

わが家は田舎なので、息子の友だちはほとんど兄弟がいます。兄弟喧嘩の仲裁ではきっと「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」「女の子には優しくして」などという言葉が日常茶飯事だと想像できます。

 

男女平等だとか、いろいろ言われていますが、まだまだ男性の育児休暇の取得率は上がらないし、全然平等ではない。ママさんたちは様々な行き詰まり感を抱えながら、少ない選択肢の中、仕事の育児の両立を迫られているのが現実です。

息子は保育園児なので、クラスメイトの家は基本すべて共働きでしょう。きっとパパたちは、少なからず育児に積極的にならざるを得ない状態だと思います。そんな中の「女の子に優しく」は、「ママに優しく」の意味も含んでいるんじゃないのかな?

 

現代の男性観・女性観

 

男性は、「男らしく」「家族を養う」という古いジェンダー感にしばられ、女性は、解放されたように思えて、子育てよりもキャリアを選択することに、大きな決断がいるのが現状。

 

でも近年、世の若い男性たちは「みんなイクメンでなければ」ならなくなった。

 

「女性に優しく」「ママに優しく」「育児に積極的」じゃなくちゃいけないのに「男らしく」「家族を養う」という、古いジェンダー感からも解放されていないのが今のパパ世代。

 

まだまだ遠い男女平等

 

息子の場合は多分、疑問に思ったからこそ聞いてきたのだと思います。

ですが、5歳児10人だかの、小さなコミュニティで「女の子には優しく」が一般論として話されている事実。

 

このまま行くと、やっぱり息子世代も、家族を養う男らしいパパとイクメンの両立に悩むことになるでしょう。

 

私自身も、家事育児を夫に任せることに一抹の後ろめたさを感じることは、認めたくはない事実だし、夫だって、平日の昼間っから抱っこ紐でスーパーに買い物に行けるタイプではない。

 

そんな親が育ててるんだから、その子どもたちもやっぱり、同じジェンダー感覚を持つのはあたりまえなのかもしれません。

 

実際に偏ったジェンダー感を持っていながら、息子がそう話すことに違和感を覚えるというのは、まぁ、身勝手な親だこと。

 

私は、男女の差というのは、実際あるのだと考えている方です。

得意なことも違うし、体の違いもある。男児を育てていると、その行動の理解出来なさから、本当に性差を思い知らされることは多いです。

 

ですが、縛られる必要はないですよね。

まずは、自分たち自身が、本当の意味でジェンダーから解放されないと、きちんと子どもに伝えられないなぁと、考えた出来事でした。