発達障害児育児はぜひ、地域の支援を頼って欲しい|体験談
いろんな人に関わってもらい、助けてもらいながらやっとこさ母業をこなしている、へたれ母のKazenoyaです。
5月の終わりから1か月に2度ほど、発達支援の体操教室に通っています。
通うとは言っても、園へお迎えが来て園に送り届けてくれるので、kazenoyaはほぼなんにもしていません。
本人は「忍者の修行するんだよ」とかなり気に入って通っています。
さて、先日、今後の支援・指導の方針を決める会議(!)がありました。
市の保健師さんと私、NPOの代表と、指導者が顔を突き合わせて、息子の奇行や困難さについて、あーでもない、こーでもないと1時間話し合いました。
そのきめ細かさにちょっと驚く。
息子は1年上の年長さんのクラスに入って頑張るようです。
良くも悪くも周囲に影響されやすい特性を、上手く利用しようという魂胆です。
実は、この会議を前に私、代表さんと面談して、息子の通院・支援履歴やコミュニケーションの取り方の特徴、どんな遊びが好きか?支援を通して息子が向かいたい方向性などを話しました。
この情報を整理した用紙を囲んで、これから息子にどんな指導をして行こうかという、方針を決定するための会議。
議題は「息子」。ちょっとすごくないですか?
指導者のお兄さんはこの会議の時まで、息子の自己評価の低さ、失敗体験への弱さを知らなかったので、年長さんグループへの参加を決めたことをちょっと後悔しているようでした。
「自分だけ上手に出来なくて、教室へ来るのを嫌になっちゃいませんかね」と。
「まぁ、その時はその時。良い方に転ぶか、悪い方に転ぶかはやってみないと分からない」そう答えておきました。
いい加減な母の言葉に、
「細かく注意して様子を見ておきます」となんとも頼もしい。
実は先日の体操教室でちょっとしたトラブルがありました。
教室見学に来た親子が赤ちゃんを連れていたらしく、息子はその赤ちゃんが気になって進行を著しく滞らせたようです。
テンションが上がると自分の伝えたいこと、やりたいことなどの要望で脳内がわ〜っとなってしまい、耳がお留守になってしまうのです。
そんな失敗をしてしまった自分にツラくなってしまうことも多いのですが、保育園ではなんとか自制して周囲の行動についていく術を身につけているようです。
「このまま『物怖じしないいい子だね』でずっと成長して行けたらいいね」
「本人ツラいだろうね。保育園では頑張っているんだね」
息子の困難さに、その場にいた大人4人が寄り添いってくれるありがたさ。
「保育園のうちはなんとかなっても、学校へ行くと、ひとりだけ教室移動に遅れたりとかいろいろ大変だと思う。」
「人との距離感がイマイチつかめないので、今でもおませな女子にはいろいろ言われてるんじゃないか?」
そんな不安も、この際だからと話しました。
これ、ひとりで抱えてたら私絶対パンク寸前だと思う。
いろんな人のフィルターを通した息子
息子は愛想が良く、絵本の読み聞かせや質問への反応もいいため、ちょっとだけ関わった人には「いい子だね」とよく言われます。
特に、幼稚園教諭や保育士、学校教諭などに受けがいいです。あと、おばちゃん、おばあちゃん。
でも、コミュニケーションの取り方は若干(?)暑苦しく、自分本位なために長く一緒にいると疲れます。
これまで見てもらった医者の中でも
「一緒に遊ぶのには大変楽しいお子さん」
「このタイプの子は、もしかしたら学校などでいじめられやすいかもしれません」
と、実にいろいろな意見を聞いてきました。
親としては聞くだけでもストレスが伴うことも、多々あります。
ですが、これだけたくさんの専門家が、仕事として持ち得る多くの知識と参照しながら自分の息子の行動を見てくれるなんて、すごいことだと思いませんか?
ネットや書籍で自分で情報探して、知識を深めることももちろん大切だと思いますが、それと平行して、実際に見てもらうと本当にいろいろな気づきがあるものです。
例えば…
まだ言葉が出ずに不安だった時言われたこんな言葉。
STさんの言葉です。
「この子はいろんなことがとても不器用なんだと思います。口や舌の筋肉を使うことも、器用な子とそうじゃない子がいます」
この言葉には、脳天を突かれたような気持ちになりました。
息子の本質を端的に表してくれた言葉だと、今でも日々心に置いて育児するよう心がけています。
もうすぐ1年生!就学相談へ向けて
これから、この秋には5歳児相談があり、そして来年度には就学相談が。小学校入学へ向けていろいろなことが始まります。
息子の通い始めた体操教室の母体は、小学生の発達支援の放課後デイなどもやっているところなので、その分とてもスムーズになると思うと、息子が2歳の時に自治体の検診で支援を受け始めた過去の自分に感謝したい気持ち。
5歳児相談で初めて指摘されてそこからスタートしてたら、結構大変だったんじゃないかな?
私の場合は息子の言葉の遅れと育児困難が、病院の発達外来へかかる直接の動機でした。その時には「発達障害」という言葉さえも知りませんでした。
今でも、診断はついてはいませんが、発達障害だろうとなかろうと、きめ細かな育児をしていくことは、どんな子どもにもいいことだと思います。いい結果をもたらすと信じています。自治体の支援事業や病院の発達外来に頼ったことは正解だったとも、思っています。
「言葉が遅い」「育児がツラい。周りのお母さんたちを見ているともっとラクそうに見える」などと迷って検索しているお母さんたちに、ぜひ、勇気を持った一歩を踏み出して欲しいなぁと願います。