食べ物をくれる手に噛み付くのを恐れないこと
若かりし頃の愛読書をもういちど読み返したい、kazenoyaです。
近頃、働く女性たちの【妊婦・子持ち vs 独身】な構図をよく目にします。
バリバリ働いていて、ママになったとたん、時短などで独身女性たちに負担がまわってきて…的な話しが多いですが、これって、単に子どもがいるか?いないか?が問題じゃない気がします。
自分が母になって大きく変わったこと
私自身、ずっと働いて30代の半ばまで過ごしてきました。
職場はママさんたちが多いところで、やはり気を使うこともありましたが、苛立つようなことはありませんでした。
kazenoyaの母親はバリバリのキャリアウーマン。会社を経営していました。
そんな母が10代の私に諭すように伝えた言葉のうちのひとつに、こんな言葉があります。
「仕事のことは仕事で解決。この世のことはこの世で解決」
当時はなんとなく聞いていましたが、自分が社会に出て、実際に組織で働くようになると身に染みました。
母は「仕事でやったことは仕事で解決する。この世でやったことはこの世で解決する」という意味で言ったのだと思うのですが、kaznoyaは発展して、「仕事で解決出来ない問題は仕事に持ち込まない」という意味にも捉えました。
この世で…の方は、命で責任を取るなんていうのは、もってのほか!という意味も含まれているんだと思います。結構重いんです。
会社は個人の人生までは責任を負ってくれないものです。
自分の人生や自分の尊厳、自分の時間は自分で守らないといけません。
ここの所が、子どもを授かって以来、さらに腹が据わったように思います。
子ども時代は戻らない。
でも、大人だって大切な時間を生きている
子どもの幼少期は大切な時間だと思って育児しています。家族だって大切にしたいです。
もし、なにかがあって家庭が壊れたり、体を壊したりしても、会社が責任を負ってくれるわけではありません。
ことわが子のこととなると、切羽詰まって、子ども時代を大切にしてあげたいと思うものですが、本来、大人の時間だって取り返しのつかない、大切なものです。
婚期を逃そうが、恋人に逃げられようが、なんら企業には関係のないことです。
体を壊したり、心を壊したり、過労死したりしてさえ、お金を出してくれるだけで、人生のやり直しは用意してくれません。
対策は、会社が考えること。
ひとつの仕事がうまく進まず、会社が不利益を被る時、対策を考えるのは、実は会社です。
そこのところに責任を感じて、「自分さえ頑張れば」と自己を犠牲にする日本人、多いように思います。
お給料をもらっているから?社会的な居場所として、その会社にしがみつきたいから?
理由はわかりませんが、そうまでして頑張らなければいけないものでしょうか。
必要に迫られないと変われないのは個人も企業も同じなのかもしれません。
昔読んだ本を思い出しました。
「大事なことはみーんな猫に教わった」
緩い感じの猫のイラストに、教訓的なことばが散らされている絵本です。
猫が自由気ままに暮らして、人との安心出来る生活を手に入れている様子が描かれていて、本当にのほほんとする内容です。
始めて読んだのは二十歳そこそこの頃だったと記憶しています。
それから手あかにまみれるほど読み、誰かにあげました。
いままた、手に入れたい。
そんな私の愛読書です。
私の読んだ物は文庫本でしたが、ハードカバーもあるようです。
その中にこんな一節があったように記憶しています。ウロですが。
「食べ物をくれる手に噛み付くのを恐れないこと」
噛み付いたっていいじゃない。噛み付かないと、何がいやで、何をして欲しくないか、伝わらないです。
独身女子たち(もちろん男性たちも!)は、自分のために会社に無理をいうことを、ちょっと意識を持ってやってみたらいかがでしょうか。
それで解雇するような会社なら、こっちから願い下げ!ぐらいの気概で。
多くの母たちは、会社を解雇されて路頭に迷うよりも、子どもが悲しむこと、心を病んでしまうこと、それで子どもの一生を台無しにしてしまうことのほうを恐れているんだと思います。
もちろん、最低限業務が滞らないように、自分の使える時間や手駒をきちんと見せて、頑張るママさんがほとんどでしょうが。
私も、今現在、裕福な子育て環境ではありませんが、もし本当に路頭に迷ったら、親でも行政でも使えるものなんでも使って頑張ろうって、腹をくくっています。そして、出来る限りの範囲で会社の役に立てるように、心がけて働いているつもりです。
いま、企業にむちゃな使い方をされているどんな人も、それぐらいの愛情を持って育てられて来た人ばかりだと思います。
だから自分の人生、自分の尊厳を大切にしないと。
きっとあなたのお母さんが悲しむと思います。