発達障害の診断はなんのため?誰のため?

発達障害でも、そうでなくても息子は息子。すべての経験をプラスに生かしていきたい、kazenoyaです。

 

夏休み明け、ほぼ1年ぶりの受診日がありました。

 

年長時に担任保育士とともに受診した際に、投薬は必要なら早いほうが良いと言われていて、その判断のため、学校生活に慣れた、夏休み明け頃の受診を言われていたのです。

 

長野県の夏休みは短い!(神!)ということで、先日、夏休みがあけてほんの2日ほど出校したところで、行ってきました。

 

結果、担当医師には

「今の状態では投薬は考えるような感じではありません。次回の受診は特段には決めませんので」

 

と言われました。

この医師、研究者でもあるようで、ものすごい人気です。毎月2日で予約が埋まるぐらいの先生です。良くない言葉をあえて選ぶなら「打ち切られた」と言っていいのかも。

 

「診断」は何のためにするのか?

 

担当医師と話していて気づいたことがあります。

 

「診断」というのは、、、

 

本人の社会生活になんらかの障がいが出て、適切な支援を受けるために医者が出すもの、ということです。(妊娠時やうつなどで時短勤務が必要な場合に書いてもらう指示書みたいな)

 

息子の場合は、すでに支援級ですし、必要な支援は受けられており、まだ1年生ということもあり、現段階で50音すべてが理解出来て書ける状況でなくとも、支援級での授業には特に支障がない。

 

もし、授業やテストに、タブレットの持ち込みや読み上げ等の支援の必要が出た場合には、診断して学校に提出する書類等を書きますよ、という…。

 

はぁ…。

kazenoya、いろいろ勉強して来たつもりですが、ここのところの理解はまったくもって追いついていませんでした。

 

息子の特性は、すこぶる平和的で、学級でも支援級でも問題が出ておらず、それも良かった(医者的には)みたいです。

 

診断は「親」や「周辺社会」のためにするものではなく、あくまでも「本人」の生き辛さを改善するためにするものだ!と、改めて突きつけられました。

 

「医者通い」が、私の育児助けてくれていた現実

 

乳幼児育児時代は本当に大変でした。

 

叔母には「通常の3倍大変な子」と言われ、

 

私は息子のことを

「理解不能・制御不能系男子」と読んでいたほどです。

 

当時のことは過去のブログで詳しく書いています。

kazenoya.hatenablog.com

  

でも、2歳検診で保健師さんに医療につなげると言ってもらい、2歳4ヶ月で初受診。

 

作業療法や言語療法に通うようになると、専門の先生方のスキルを聞き、日々に取り入れ、様々な意見などに触れる機会になりました。

 

これまで見聞きしていた「一般的な育児書論」に頼ることを、とうの昔に諦めていた私にとって、医療の場で触れる発達障害児への対応法は、闇の世界にさした一筋の光に感じられました。

 

だからある意味、息子の医者通いは、私のためでもありました。

〝息子のため〟と頭では分かっていても〝私のために 〟診断もしてくれる、と、心の底では思っていたのかもしれません。

 

診断には、デメリットもある。

 

よく知られるところでは、保険に入る際に申告義務があることでしょうか。

診断は、されずに済むならされないままで、学校などでも、普通に対応してくれるようになるのが、本来の目指すべき姿なのかも。どんなキャラだろうが、ハンディを持っていようが、そのままで受け入れられ、暮らしやすい世の中になれば、それでいいんですよね。オールクリア!

 

最近では、息子との日々は、

「制御不能」でもなく、「通常の3倍」でもなくなってきています。

(理解不能だけは…)

ブログタイトルも、余裕が出たら違うのを考えなければ…と思うほど、1年生になって成長しました。

 

マジで今回の受診では、素晴らしくお利口さんでした。

 少し緊張した声で、それでも質問には的確に答えていた息子。

 

要介護認定のためにケアマネが来た途端、シャキッとしてお茶を出す老人そのもの(笑

 

それを、愛おしそうに微笑みながら見つめ、会話する担当医師。

 

私と医師が話す段階になった後は、いつものゴソゴソが若干出てはいましたが。

(椅子でクルクル回ったり、ね。)

 

まぁ、結構重症の子(障がいの程度という意味だけではなく、2次障がいを発症していると言う意味でも)を中心に見ているような、専門の医療機関ですから。

 

「必要ない」と判断されてもしょうが無いよね、と納得しました。

 

 ああ、良かった!ではなく、つながり続けること

 

医師が、「必要がない」と判断したのは、息子の状態からだけではないようです。

 

息子は、そこのほかに、家のすぐそばにある、もう一つの医療機関の発達外来にも通っているのです。3ヶ月に1回。

 

担当医師は、そのことを念を押して確認しました。

「投薬もいらない!診断もされない!我が子は発達障害じゃなかったんだ。ああ、良かった」では、まったくないのです。

 

誰だって、医療に頼りたくなるときはあります。きっと。

早くから良い病院とつながりを持てたことは、絶対にプラスだと思います。

 

早々に診断しないこと、投薬を促したこと、すべてが思慮深く、ありがたい関わり。

やっぱプロだな、今後も、信頼して通ってもいい医者だなと確信出来ました。